◆2009年11月 定例研究会
2009年11月17日(火) 18時半〜20時半

場所: 青山学院大学 総研ビル11階19号会議室
テーマ: グーグル・ブック・サーチ和解は日本の著作者等にも効力が及ぶのか
講師: 佐藤 薫氏(大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授・大阪工業大学知的財産学部准教授) 
担当: 龍村 全弁護士(ELN専務理事)
概要等:

 The Authors Guild, Inc., et al. v. Google Inc.,事件 [(事件番号:05 CV8136 (S.D.N.Y.)] においてアメリカ合衆国南ニューヨーク地区連邦地方裁判所から 和解について予備的承認が下された旨の通知文が、Google Inc.(以下、「Google」と称する。)側から 同社のホームページをとおして本年1月に公開された。
いわゆるGoogle Book Search著作権集団訴訟和解案(以下、「当該和解」と称する。)である。
そこには「米国外の著者およびパブリッシャーの方への注意: 本和解は、貴殿の権利に影響する ことがあります。」などといった表現がなされていたため、我が国の著作者等が当該和解への 不参加を表明する(オプト・アウト)か否かで大騒ぎになった。
いくつかの著作者団体等は、クラスアクションというアメリカ特有の訴訟形態とベルヌ条約から、 日本の著作者にも効力が及ぶものと考え、一部の著作者にあっては和解からオプト・アウトする意思を 表明するにいたっている。
しかし、こういった考え方に果たして問題はないのだろうか。ベルヌ条約の精神や我が国の法律を勘案すれば、 かえって効力は生じないと考えるのが妥当ではないのか。拙者が日本漫画家協会での当該和解に関する 声明文を書かせていただいたのち、フランスやドイツが拙論と同じような意見を表明し、その後、 アメリカ司法省も当該和解に対して疑問を投げかけている。
このような状況の下、当該和解に対してもう一度検討を試みたいと思う。

◆2009年7月 定例研究会
2009年7月9日(木) 18時半〜20時半

場所: 青山学院大学 総研ビル11階19号会議室
テーマ: 日本のアニメーションの将来
 --次のステップへのアドバイス--
講師: オフィスH(アッシュ)代表、メディア・チェンジ・プロデューサー 伊藤裕美氏
東京芸術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻 教授 岡本美津子氏
担当: 三尾美枝子弁護士(ELN専務理事)
事務局担当: 三谷英弘弁護士
概要等:

日本のアニメーションが世界的に評価され、アニメーション創作力の高さがうたわれて久しい。しかし一方で、製作の現場は疲弊し、本来の豊穣たるクリエイティブの土壌はやせてきつつあるという厳しい現実もある。
このような状況の中、日本のアニメーションの将来を支える若いアニメーションクリエータを発掘し、育てることが喫緊の課題であり、 そのための社会的な仕組みづくりを考えなくてはならないのではないか。
今回の月例研究会では、若い才能の発掘と育成について、その取組を、教育やプロデュースの現場から生の声でお届けし、 世界を見据えた日本のアニメーションの将来について、コンテンツ業界全体から何ができるのか等について議論を深めたい。

詳細:

プロデューサーの伊藤さんからは、6月の欧州視察から最新動向を含め、日本のアニメーション再興のカギをお話しいただきます。
○ 世界規模の国際アニメーション・フェスティバル「アヌシー2009」視察より、欧州のアニメーション市場の動向:
日本のアニメ進出の可能性
完成品の販売では遅い、合作や企画のプリセールスが潮流に
○ 欧州の業界振興策
フランス等の地域経済体による、経済振興
官民協働のあり方
○ インディペンデント支援のあり方
独立系が力を持つ、欧州のプロデューサー事情
制作費に対する助成金で、資金力の弱い
インディペンデントも国際合作へ進出
○ ノルディックがおもしろい
市場限界を克服する国際展開力(長編作品の成功例から)
デンマークの、民間力をバックアップする公的援助

芸大の岡本先生からは、「国立メディア芸術総合センター」設立が話題ですが、アニメーションの拠点づくりに必要なものとは? をテーマに、数々の事例からその要件をお話いただきます。
○NHK公募番組「デジタル・スタジアム」に見る制作者の裾野の広がり
下は小学生から上は70歳代まで。“発表の場”としてのTVだが、その後は…
○アカデミー賞短編賞は再びあるか?
(株)ロボット「CAGE」カナダNFBなどに見る作家をはぐくむ環境
○国公立が支援するべき4機能とは?
「アーカイブ」、「教育・研究機関」、「制作環境」、「スクリーニング」
○プロデューサーの役割
ヒット企画「やわらか戦車」、
新しい試み「動画革命東京」などに見るプロデュース力
○広がるアニメーションのマーケット
デジタルサイネージ、学習、医療など他分野への応用。

 

◆第6回シンポジウム
平成21年5月30日(土)13時30分〜16時


場所: 大手町サンスカイルーム24階会議室
(千代田区大手町2-6-1朝日生命大手町ビル)
主催: 特定非営利活動法人エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク
後援: 総務省・文化庁・経済産業省・知的財産戦略本部(予定)
会費: 無料(会員以外も参加可能、事前登録不要ですので直接会場へお越し下さい。)
テーマ: フェアユースは本当にフェアか!? 
−フェアユースが著作権にもたらす論点分析―

開催趣旨:

近時、日本版フェアユースについて、コンテンツ流通を促進する観点から積極的に導入すべきという意見がある一方、わが国のコンテンツ産業を発展させるためには、権利者に適正な対価が支払われる仕組が必要であり、フェアユースの導入は慎重に考慮すべきという意見もあり、議論が活発となっております。 わが国のエンターテインメント産業及びそれを支えるエンターテインメント・ローにとって、重大な分岐点を迎えていると言っても過言ではないかと存じます。かかる問題点について研究し、よりよいあるべき姿について議論するため、下記の概要にてシンポジウムを開催させていただくことになりましたので、ぜひご参加ください。

概要:

【基調報告】 13時30分〜14時
(報告1)「フェアユースについて基本的な論点整理」
古島 ひろみ弁護士(エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク会員)

(報告2)「法改正の現在の進行・問題、今後のスケジュールなど」
川瀬 真 氏 ( 文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長 )

【パネルディスカッション】 14時〜16時
〈パネリスト〉
上野 達弘 氏 (立教大学准教授 )
菅原 瑞夫 氏 (社団法人日本音楽著作権協会常務理事 )
田村 善之 氏 (北海道大学教授)
丸橋 透 氏 (ニフティ株式会社法務部長)
三田 誠広 氏 (社団法人日本文藝協会副理事長)   (五十音順)
〈モデレータ〉
横山 経通 弁護士 (エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク 専務理事)

※シンポジウム終了後、同ビルの27階にて懇親会を予定しております。(無料)
お誘い合わせの上、ぜひご来場ください。たくさんのご参加お待ちしております。

◆2009年3月 定例研究会
2009年3月30日(月) 18時半〜20時半

場所: 青山学院大学 総研ビル11階19号会議室
テーマ: 「デジタル・コンテンツの利用・流通促進のための法制度の整備
〜デジタル・コンテンツの円滑な利用・流通の実現化を目指して〜」
講師: 一橋大学大学院国際企業戦略科教授   相澤英孝氏
西村あさひ法律事務所 弁護士
デジタル・コンテンツ利用促進協議会 監事  櫻井由章氏
担当理事: 岩倉正和弁護士(ELN理事)
概要等:

日本経済が難しい局面を迎えている現在、多くの産業に関連する コンテンツ・ビジネスの発展を図ることは我が国喫緊の課題であるが、 現行法の下に存在する様々な制約が萎縮効果を与え、デジタル・コンテンツの利用・流通を阻害している。
そこで、デジタル・コンテンツの円滑な利用・流通の促進を図ることを目的とする特別法の制定を求めて、 デジタル・コンテンツ利用促進協議会による政策提言などがなされているが、これに対する意見等も寄せられていることから、 今回の月例研究会では、検討の現状と国際条約を含む法的論点などを解説する。

◆2009年1月 月例研究会
2009年1月20日(火) 18時半〜20時半

場所: 青山学院大学 総研ビル11階19号会議室
テーマ: 「エンタメロイヤー必修! JASRACの音楽著作権管理の仕組み」
講師: 社団法人日本音楽著作権協会 北田暢也氏 
担当理事: 前田哲男弁護士
概要等:

音楽はエンターテインメントの重要なジャンルであるばかりではなく、 映画、放送番組、ゲームソフトなどのジャンルにおいても重要な要素となっています。
そして、音楽著作権の多くは著作権等管理事業者によって管理されています。
このため、エンターテインメントに関する法実務を行うためには、 著作権等管理事業者による管理の実情について知ることが不可欠です。
そこで、1月の月例会では、日本最大の著作権等管理事業者である日本音楽著作権協会(JASRAC) の北田暢也氏をお招きして、
@JASRACによる著作権管理の仕組み、
AJASRACへ著作権の管理を委託する場合の注意事項、
BJASRACから許諾を得る手続及びその際の注意事項、
C外国曲の利用に関する注意事項、
Dいわゆるシンクロ権処理など指値となる場合及びその際の注意事項、
E編曲権及び著作者人格権との関係に関する注意事項、などについてお話をいただきます。
特にこれからエンタメロイヤーを目指す方々には必修講座と思いますので、多数のご参加をお待ちしております。

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